腹痛の鍼灸弁証治療
定義 a.下腹部の疼痛 *下腹部:臍〜恥骨まで(主に小腹部痛をさす)
b.全腹部の疼痛
特徴 上腹…脾・胃(中焦)
下腹(複雑)…大腸、小腸、子宮、膀胱
(熱入血室)
腎…関元〜気海の冷痛
肝…肝胃不和ー中焦、気鬱ー下焦
生理痛(下腹部痛)→激痛
寒凝肝脈
衝…血の海。婦人科
任…子宮、生理。妊娠を主る。
帯…帯下、子宮、下腹部の異常
病因病機 a.外感寒邪
・太陽経の症状…麻黄桂枝
・直中(内傷)…(大腸) 大腸…激痛、酷い下痢
+ 衝、帯…生理痛(女性)
(ケツ陰) 肝、腎…陰嚢収縮(男性)←現在はあまりみられない。
心理的異常から
b.生冷過食
寒邪と直中する場所が違う。ケツ陰はない。
大腸に直中、気機の滞りが起こる(冷え)→温補
c.暴飲暴食
食滞。だいたいが上腹で胃につまらず大腸につまる→便秘:熱…便秘、湿…さっぱりしない・陰痛
*昔は小腸は分泌清濁だったが、現在は小腸につまるといわれている。
d.肝気鬱結(気滞)
上腹部膨満、下腹部の痛み、脾・胃だけでなく全身の気機を疏泄する。 *肝ー肺
→ここでは大腸、小腸(腸の蠕動の異常) −脾・胃
−大腸、小腸、衝、帯、膀胱
e.陽気不足
脾・腎陽虚…温養を失う。経脈の痙攣を促す。
f.寄生虫(腸に存在)
大腸・小腸の気機の働きを阻害する。
g.打撲
゛オ血″ 上腹部…後遺症なし
下腹部…痛みの後遺症が残りやすい→腸と腸の癒着が関係。
(関元、気海、中極)
h.術後疼痛
虫垂炎、産科(帝王切開)、腸の癒着
理気活血
桃紅四物湯→癒着を防ぐ働きがある
*a〜h 気機阻滞⇒腹痛
●熱入血室…寒邪が子宮につまると熱と化す。
(生理痛は腹痛の一種)
弁証論治 1)痛みになる原因、部位、性質
部位…臍周辺は気滞・寄生虫
臍の両サイドは肝
臍の下は腎
腎の下(恥骨の上辺り)は膀胱
寒・熱…寒:温めると気持ちいい
熱:温めるとしんどい、冷やすとよい
虚・実…虚:虚拒
実:実拒
2)気、血、臓(虚実あり)、腑(ほとんど実)
例:肝気鬱結、寒、実、気、肝臓
気分の病変…気滞ー浅い病変
血分の病変…オ血ー深い病変(時間がかかる)
病変⇒⇒ 腎気虚(陰痛)→腎陽虚(+冷え)→肝血虚(肝を滋養できない、痙攣する)→肝陰虚(昼は痛みなし、夜に痛みあり辛い、潮熱)
→+腎の精気の虚→肝腎陰虚→陰陽両虚
腑(ほとんど実)…熱結大腸→大承気湯
大腸湿熱
虚実挟雑→潰瘍性大腸炎(自己免疫疾患)
過敏性大腸症候群(下痢・便秘の繰り返し)
3)゛通ずれば痛まず″の理論
配穴…下腹部痛によく使われる穴(基本穴) *漢方では先に弁証する。そして方剤を作り加減する(←論治)。
局部→天枢、大横(腹結)、気海、関元 鍼灸では中心にする治療穴がある(局部・遠隔)。
遠隔→足三里、上巨虚、内庭、三陰交、公孫 そして弁証を行い、タイプによって加減する。
a.寒 温中散寒 *中…中焦
温下散寒…天枢、大横の灸 *下…下焦
風邪…悪寒、発熱
→解表:合谷、風池、大椎(寒)、天枢、大横、足三里 *全て瀉法
b.食滞 美食家、辛いもの、熱いもの、酒
腸につまっている。
天枢、大横、上巨虚(化食導滞)、内庭(湿熱清め) *全て瀉法
c.肝鬱 疏肝理気
太衝(疏肝理気)、三陰交、天枢、大横
d.陽虚 陽虚→慢性腹痛→すぐには治らないので、配穴を2種類にして治療する。
気海、関元、足三里、三陰交+脾ユ、腎ユ、命門 *附子瓶(温灸)
e.オ血 打撲、後遺症
オ血は固定性の刺すような痛み
鍼灸(灸頭針)併用+合谷、太衝、圧痛点。あとは基本穴。
*合谷、太衝は理気活血
慢性→癒着にならないように予防的な意味合い。
*臍より上の病症には内関
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