アレルギー疾患の鍼治療
喘息・アレルギー鼻炎・花粉症・アトピー皮膚炎など・・・


私は幼少のころから比較的重度の喘息とアトピーと鼻炎をもっていました。
特に皮膚障害がひどく何度も皮膚科に通院してはステロイド剤を処方してもらったりしました。
年零を重ねるにつれて治っていったのですが大学生のころに皮膚炎を再発し
しかもそのあとの上海留学時代にはひどい喘息を再発してしまいました。
上海では地域開発のため毎日のように工事をしていましたので大変空気が悪く
また上海自体が乾燥ぎみの場所でしたので私だけでなく多くの留学生が呼吸障害にかかっていました。
そんななか喘息を治すべく自分で治療を試みたり漢方薬を煎じたりしましたが一向によくなりません。
そこでどうせだったら自分の体で実験しようと考え喘息を上海中医薬大学での卒業論文にしました。
そしてお願いして上海鍼灸研究所の喘息治療を見学させてもらい実際の治療法を会得しました。

針では主に手の肺系や鼻周辺部や頚部や足に針をして30分ほどおいておきます。
針の目的は主に急性期におこない咳を止めたり症状の緩和に役立つようです。
逆に慢性にはお灸をします。夏の間にする事が多く三伏灸とよばれています。
灸では主に背部にほどこし少し熱めのお灸をして火傷させることで免疫を活性化させます。
ただし日本ではあまりあとの残るお灸を敬遠することが多く自分なりに考え
漢方薬で作られた台の上にお灸をすることであまり熱くなくあとののこらない方法を教えてもらいました。

もちろん若い女性や子供に大きな灸痕を残すのは私もためらいがありますので
患者さんの同意をえれればしますが嫌がればあとの残らない方法を選択しています。
またこれらの方法はけっして喘息だけでなくアレルギー疾患全般にわたり効果があります。
昔はお寺さんとかで化膿灸をしていたという話を聞きますが今はきかなくなりました。時代の流れですね。


アレルギー疾患について

現在西洋医学の治療には対症療法としては交感神経刺激剤やステロイドや吸入などで
根治療法としてはアレルギー性のものに減感作療法がひろくおこなわれている。
そのほかには心理療法や自律神経訓練法があります。このように急性期の症状の強い時は
ほぼ一定の治療効果をだすがさて根治療法といえばこれといった治療法がないのが現状です。
ただ慢性の緩和期においてもステロイドやいろんな薬を常用する人が非常に多いので
これは身体に薬の依存性できてしまって薬から離れられなくなるようです。
当然それによる副作用もあり精神的にも薬をのんでいるという不安感に襲われる人もいます。
これはアレルギーの患者さんは発作期になるのを非常に恐れているので身体に悪いことを
知りながらも薬を飲みつづけていくしかないのです。発作期になるのを防いだりまたたとえ発作が出たとしても
最小限に食い止めるのが東洋医学の役目だと強く感じています。
アレルギー疾患の多くは長期に及ぶ根気強い治療を必要としているので
即効性に治ることのない事から治療は日常生活の過ごし方を含めて副作用のない
治療法を選択する必要であり実際に鍼灸がどれだけできるかを下に書いていきます。







アレルギー鼻炎・花粉症・目のカユミの治療
花粉症にはぜひぜひ即効性のある背部のシール針を!!

1、即効性のあるシール鍼治療について
毎年2月の時期になると多くの花粉症患者さんがおこしになります。
当院では花粉症に関しましてはかなりの実績を残していますので
最低でも50症例は毎年していますがまず9割は効果があるとはっきりいえます。
簡単なものは背部へシールの針をつけておくだけですので耳ツボダイエットの治療であります
2000円にておこなうケースもありますができたらじっくりとした体質改善の治療もいれられるといいでしょう。
また興味本心で少しでも効果があるのか確認してからの場合はシール鍼のみでもけっこうです。
ぜひこの治療法は簡便で苦痛もなく1〜2分程度ですからすぐにでも試していただきたく思います。

2、体質改善をおこないアレルギー体質を治したい方へ
まずはしっかりと東洋医学的に診断をおこない身体の内部を把握する事が大事になります。
そしてそれに対する治療をおこないジワジワと改善していきます。
実際の治療方法は督脈への鍼が有効であると中国にて教えてもらいました。
その中でも上部は肺愈、中部は隔愈、下部は腎愈が大事であるとのことです。
肺愈は気の病に多く使われます。鼻や目の粘膜のかゆみなどはこのツボが良いです。
隔愈は血の病に多く使われます。粘膜が赤くただれる炎症反応を取るのはこのツボです。
腎愈は水の病に多く使われます。痰が多かったりやジュクジュクした粘膜の状態にはこのツボです。




喘息に対する熱くないお灸
喘息にはぜひお灸をおすすめします。特に小児や高齢者患者にはあとの残らないお灸をして欲しいです

以前は広島では熱いお灸を呉のほうでやっていたというのを患者さんから聞きました。
現在はやっていないのか?あまり患者さんからお灸に行ったという話はありません。
さてそういう熱い灸は慢性内臓の病気にすごく効きます。
ですが現在なかなか熱いお灸をしてみたいという患者さんは少なくなりました。
西洋医学が発展した今良い薬ができてそこまでして治したいという人が少なくなってきた
のではないかと推測しています。特に吸入ができるようになってからはあとの残るお灸をする方がが少なくなったようです。

さてそんな中治療を希望される患者さんには熱いお灸をしますが当院ではあまり熱くないお灸のほうに
ウエートをおいて治療をしています。熱くないお灸だとやってみようかなと思う人が多く
案外熱くなくても治療回数を重ねれば徐々によくなるというデーターがでましたので紹介します。

さてお灸は急性期や発作期にはおこないません。当然急性期には医師の診断のもと処置をして下さい。
比較的緩和期の夏の時ににこの治療は多くおこなわれています。

夏場にお灸をすることで陽を養い冬に発生する症状を抑えるのが目的です。
それによって免疫力は強まり発作予防に役立つということで中国でも頻繁におこなわれています。


お灸の場所は大椎、風門、肺愈、隔愈をとります。
ただし小児喘息の場合は督脈のみで身中、至陽、命門をとります。
自宅ではせんねん灸をして当院ではその上から漢方薬でできた台の上からお灸をします。
せんねん灸も注意しないと痕が残りますのであとがつくのが絶対嫌だという方は早めに動かすのがコツです。
皮膚の弱い人は弱めのお灸をすすめます。
熱くないお灸では効果はおちますが回数をかさねればじゅうぶん効果はありますのでご相談ください。



アトピー性皮膚炎の治療
アトピーには食生活を中心とした養生が必衰ですその上で鍼灸治療をすると良くなっていきます。
私達はその手助けができますので参考にください。人任せではいつまでも治りません。



中国では慢性皮膚炎は皮膚下に熱がこもっている症状であるといって
主に内熱であり肺と脾と肝が重要であるといわれています。
アレルギー性鼻炎や花粉症は隔愈が大事であり喘息は肺愈などが大事でありますが、
アトピー性皮膚炎では脾愈で特に胃脾が大事であると思われます。
脾や腎は主に慢性病で非常に治りにくいといわれていますが確かに当院でも
鼻炎や喘息ほどの即効性に関してはありませんので即効的な治療をお望みならば
鍼灸治療はむかないと考えられます。大事なのはゆっくりでもいいので改善していく事です。
たとえ急によくなってもリバウンドですぐに戻るからです。アトピーだけは体質改善しないと何の意味もありません。
ですので自宅養生を中心とした体質改善治療をぜひはじめてください。特効薬などないのですから・・・

当院ではアトピー性皮膚炎の治療には痛くない鍼とお灸を用いています。
まずはあとが少なくなるように調節した直接灸かせんねん灸などのお灸をしていきます。
治療効果は4〜5回くらいでゆっくりみられますのでまずは4〜5回ほど治療して効果を確認していただきながら
鍼灸治療の効果をみていただければと感じます。

はじめは週に2回での治療をしながら徐々に週1回にしていくのがコツです。



蓄膿症・慢性扁桃炎・口内炎・喉の違和感の治療
(顔面部周囲の炎症性疾患には頭部・背部のお灸が有効です)
これらの症状は通常の鍼灸治療にて普通に良くなっていきます。

扁桃炎の症状に苦しんでいる方は想像以上に多いようです。
花粉の時期になると余計にひどくなり赤く腫れあがる方がいます。
これらの症状にも針灸は有効な治療法になります。
蓄膿や中耳炎には頭部や背部のお灸が必衰です。効果も非常にあります。

長年の間治らなくて困っている方も当院ではじめて治ったといわれることもたびたびあります・・・
完全に治すのならお灸をしていきますが若い女性なら鍼と温かいせんねん灸でも良いです。


最後に

最近になって西洋医学の治療に中医学の考え方を補完する動きがとられています。
さまざまな研究がおこなわれていますが実際は病院においてだされる漢方薬や鍼灸治療は
西洋医学が中心になっておりなかなか東洋医学の基礎である診断をとり入れて診療される
場合はほとんどみられないのが現状です。これは西洋医学の医師が中医学を理解されていなく
西洋医学の解釈により漢方薬や鍼灸をとりいれていることが現実です。ですので東洋医学の治療を受けるには
我々のように独立して開業している場合か自費の病院においてでしかなく
これでは世間になかなか普及されることはないはずです。ですので私たちのような開業鍼灸師・漢方薬剤師が
少数の限られた患者さんを見てその効果をだしていることになります。

今日地球環境が破壊され社会生活が混雑化する中アレルギー疾患は年々増加するものと
考えられます。よって重症の時は西洋医学を優先し緩和期には日常生活に注意しながら食生活など養生をし
東洋医学により体質改善を図ることで免疫機能を高めて日常生活の質をあげないといけないと思います。

アレルギー疾患は私たちが治す病気でなく患者さん自身が自覚し
現在の症状にははたしてどの治療が適切かを考えながら選択しないといけないと思う。

自分がアレルギー体質なので自分に再度いいきかせるつもりでも強く書いてみました。
それだけアレルギー体質をかえていくのは困難な事だと思っています。


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